現代人の多くは、複雑な人間関係や社会環境など様々なストレスを受け、自然治癒能力の陰りを見せています。そこで、その力を引きだすための、東洋療法は現 代人の良いパートナーといえましょう。決して“すきっ腹に飯”というように病状が消えてしまうことはありませんが、体内にあるべき自然治癒能力を引きだす には、この東洋療法が副作用もなく、健康を保持していく上に、最も穏やかな治療法なのです。
近年、注目されている「はり・きゅう・按摩・マッサージ・指圧」などの『東洋療法』を是非、お勧めします。
ツボにリズミカルな刺激を与える「はり」。温熱によってツボを刺激する「きゅう」。ツボに、圧迫刺激を加える「指圧」や筋肉を引張ったり揉んだりする 「マッサージ」。これらは、全て健康を増進し病気を予防する上で効果の大きい物理療法です。特に、中国で培われ永い歴史をもつ鍼灸と按摩導引術は、東洋医 学の根底をなすものとして広く全世界で利用されるようになりました。何故、はりやきゅうが効くのかそのメカニズムは、今ハイテクノロジーの応用によって次 第に解き明かされようとしています。
はりやきゅうは、人が本来持っている自然治癒能力を高める働きをします。身体の中で細菌を抑える白血球は、はりやきゅうによってその働きが活発になり、心 臓は力強く拍動し、ホルモンのバランスが改善され、血液は弱アルカリ性に傾いて、身体の内部環境が良い方向に調節されると言われています。
あん摩・マッサージ・指圧は、手技療法とも呼ばれ、その名の通りこれこそ手当です。痛い時、手を当ててさすったり揉んだりします。手のぬくもりが肌をとお して染みこみ、興奮している神経を鎮めてくれるのです。人の手のひらは不思議な力を持っています。患部に手を当てただけで痛みが和らぐのは、手のひらの刺 激によって、「エンドルフィン」や「遠赤外線」などの鎮痛効果を持つ物質が出ているからとも言われています。
●経穴(けいけつ)ツボとははりを刺し、きゅうをすえ、指圧をするポイントが経穴“ツボ”です。全身の体表には、365のツボが分布し、同じ効果を表すツボを結んでいくと、手に6経、足に6経、身体の中央の前と後ろに1経づつの14の道筋が作られます。この道筋が経絡です。ツボがどんな形をして皮膚のどの深さにあるのかなどの詳しい事については、まだ解っていません。しかし、ツボと内臓の間に神経を介して連絡のある事は、すでに明らかになっています。
●ツボを刺激すると何故、内臓の働きが良くなるのか?内臓をコントロールする神経は、自律神経です。自律神経には、交感神経と副交感神経があり両者は全く正反対の形で内臓や血管を支配しています。例えば、心臓の働きを抗進し心拍数を増すのが交感神経、これを抑制するのが副交感神経です。胃腸では、逆にその働きを抗進するのが副交感神経、抑制するのが交感神経です。両者がうまく釣合って働いている時には内臓も正常に働く事になります。この自律神経の中心が、脳の奥底にある脳幹の間脳にあります。ここから交感神経や副交感神経は、脊髄の中を通り脊髄の後角という場所から出て内臓へ向かっています。この後角には、皮膚から来た感覚神経も入っているので、内臓に異状があると皮膚の表面に異常(圧痛など)として表れるのです。皮膚が内臓の鏡と言われる由来がここにあるのです。逆に、皮膚を刺激すれば内臓の働きが良くなる事になります。これがはり、きゅうや按摩マッサージ指圧のひとつのメカニズムです。
●免許資格について鍼・灸・按摩、マッサージ、指圧を業とするには、「法律第217号」第1条(免許)により定められた免許が必要です。それは、医師以外の者が医業類似行為を行うことを禁止しているからです。
あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゅうの業務は、医業と密接な関係にあり、身体に及ぼす影響も大きいので、これらの業を行うことを一般には禁止し、それぞれの免許を得たものは、この禁止を解除され、初めてこれらの業をすることが出来るのです。
免許資格を取得するには、学校教育法「法律第26号」第56条1項の規程により大学に入学することの出来る者で、3年以上文部大臣の認定した学校又は厚生大臣の認定した養成施設において解剖学、生理学、病理学、衛生学その他あん摩マッサージ指圧師、はり師又はきゅう師となるのに必要な知識及び技能を修得した者であって、厚生労働大臣の行なう「あん摩マッサージ指圧師試験、はり師試験又はきゅう師試験」に合格した者に対して、厚生労働大臣が免許を与えることになっています。
●ご確認ください岐阜県鍼灸マッサージ師会の会員は、「法律第217号」第1条により認められた免許所持者で組織しています。治療を受けられる際は、治療院に掲示してある厚生大臣又は県知事名の免許証明書があるかをご確認のうえ治療を受けて下さい。
WHO(世界保健機構)で定められている鍼の適応症 - 41疾患頭痛、偏頭痛、三叉神経痛、顔面神経麻痺、メニエール氏病、白内障、急性結膜炎、近視、中心性網膜炎、急性上顎洞炎、急性鼻炎、感冒、急性扁桃炎、歯痛、抜歯後疼痛、歯肉炎、急性咽頭炎、急性気管支炎、気管支喘息、食道・噴門痙攣、しゃっくり、急性・慢性胃炎、胃酸過多症、胃下垂、麻痺性イレウス、慢性・急性十二指腸潰瘍、急性・慢性腸炎、便秘、下痢、急性細菌性下痢、打撲による麻痺、末梢神経系疾患、多発性筋炎、神経性膀胱障害、肋間神経痛、頚腕症候群、坐骨神経痛、腰痛、関節炎、夜尿症
循環器系本態性高血圧症、本態性低血圧症、神経性狭心症、不整脈の一部、動悸、息切れ、心臓神経症など
呼吸器系気管支喘息、過呼吸症候群、神経性咳嗽、風邪による諸症状の緩和など
内分泌代謝系肥満症、糖尿病、心因性大飲症、甲状腺機能亢進症、脚気、痛風、貧血など
消化器系消化性胃潰瘍、潰瘍性大腸炎、過敏性大腸症候群、下痢便秘症、神経性嘔吐症、腹部膨満症、呑気症、神経性食思不振症、痔疾など
神経系頭痛、筋緊張性頭痛、自律神経失調症、神経痛、神経麻痺、脳卒中後遺症、不眠など
生殖・泌尿器系腎炎、夜尿症、過敏性膀胱、インポテンツなど
運動器系慢性関節リウマチ、頚腕症候群、五十肩、腰痛症、膝関節痛、全身性筋肉痛、外傷性神経症、書痙、痙性斜頚、チック、脊椎過敏症など
皮膚系神経性皮膚炎、皮膚掻痒症、湿疹、円形脱毛症、多汗症、慢性蕁麻疹など
耳鼻咽喉科系メニエール症候群、咽喉頭部異物感症、難聴、耳鳴り、乗り物酔い、嗄声、失声、吃音など
眼科系原発性緑内障、老人性白内障、眼精疲労(疲れ目・ドライアイ等)、眼瞼痙攣など
婦人科系不感症、月経痛、無月経、不妊症、更年期障害など
小児科系小児疳の虫、夜尿症、夜驚症、腺病質、アレルギー、小児消化不良症など
その他臀部・腰部・手足の冷え、肩凝り、のぼせ、不眠等の不定愁訴など